イナGO短編集

□ばれんたいんふぉーゆー。
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明日はバレンタインだ。

特に予定はないんだけどさ…



「ヒ、ロ、兄ーっ!なんでオレがこんな格好してんのっ!?」

「ん?作るんだろ?霧野くんに」

「…………いやいやいやいや一度もそんなこと言ってない!」

「まぁ作っちゃえ作っちゃえ!」

「……めんどくさっ…」



と言いながらも、なんと手が勝手に動いていた。

ってかバレンタインって女が作るんじゃねぇのかよ…



「うまいじゃん。やっぱりマサキは器用だよな」

「別に…」

「はい、これでラッピングしなよ」

「あー…ありがとうございます…」



なんとなんと。

手作りチョコが出来てしまった。

しかもなんかうまいらしい。



「……でもどうやって渡そう」



霧野先輩モテそうだし。

神童先輩とか神童先輩とか神童先輩とか居るし…



しょーがねぇか…部活ん時かな…。



何やってんだろオレ…

バレンタインなんて、オレには関係ないはずなのに。

霧野先輩に渡そうなんて思ってないはずなのに…



確かに霧野先輩のこと好きだけど…

バレンタインとか別にそういうんじゃ、なくて…



あぁ…もうなんか悔しい。



…………なんか悔しいよ…!



神童先輩が霧野先輩にあげなければ良いなぁー…



バレンタインの前日の夜、オレの頭の中は

『明日どうしよ』

でいっぱいいっぱいだった。
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