俺の後輩が猫になった。
□◇08日目◇ 俺の後輩に会うためにお日様園に行った日。
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「霧野、一緒に帰ろう」
「あ、あぁ」
あれから1週間が経った。
狩屋は、部活どころか学校にも来ていない。
風邪ということにしているらしい。
神童とはいつも通り、
一緒に学校へ行って、一緒に帰って、たくさん話して……。
だけど狩屋とはまったく会わない。
というか会えない。
…ったく。
対等な勝負ってなんなんだよ。
狩屋に会えなくて…
それのどこが対等なんだよ…。
俺はだんだん、そう思い始めた。
そんな時…
「霧野せんぱーい!キャプテーン!」
「どうした、天馬?」
「狩屋、最近ずっと休んでるじゃないですか?それで昨日、信助とお見舞いに行ったんですけど…」
「!!」
………まさか。
「部屋から全く出てこないって…ごはんも食べないって、言ってて…結局、狩屋にも会えなくて……」
――人間の姿に戻れないから、だよな。
「狩屋のやつ…!」
「ぁ、霧野っ!?」
「神童ゴメン!俺、狩屋んとこ行ってくるから!」
「………。」
答えは、今出た。
いや、本当は――――…
最初から出ていたんだ。
*
「雷門サッカー部2年の霧野です」
「あ、マサキに用かな?あいにくだけどマサキはずっと部屋にこもってて…」
「大丈夫です。俺、なんとか話してみたいんで」
「……よし、わかった。マサキはあの部屋に居るからね」
狩屋が居る孤児院に行くと、
眼鏡をかけた赤い髪のどこかで見たことがあるようなかっこいい人(←ヒロトさん)
が中へ入れてくれた。
「……ふぅ…」
何を言われても、帰らないからな。
絶対に引き下がらない。
絶対…部屋に入って狩屋と話す。
そう決めて、静かにドアをノックした。
コンコン。