俺の後輩が猫になった。
□◇35日目◇ 俺の後輩が猫になってから今まで。
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『なぁ、今日、家来れないか?』
なんとなく、狩屋にそうメールしてみる。
今日は暇すぎるんだよ。
神童は天馬とデートだって言うしさぁ…
〜〜♪♪
「早いな…まさか待ってたとか?」
…それはないか。
って―――
神童じゃねぇかよ!!;
『今、天馬とプリクラ撮ったんだ。送っとくな』
添付してあったプリには、
すっごく楽しそうな顔してる天馬と
それ以上に楽しそうな神童が写っていた。
「…楽しそうにしてんじゃん。良かったな、神童」
あの時神童を振って良かったと、心から思う。
親友として…だな。
神童が天馬と付き合ってからも、
俺には神童への恋愛感情は芽生えなかった。
俺の恋愛感情は……狩屋に向けてしか、ない。
〜〜♪♪
「今度こそ狩屋…狩屋だ!」
それだけでテンションが上がってしまう俺は、
最近少し子供っぽいと自分でも思う。
そうそう。
狩屋が猫にならなくなってからは
狩屋≠チて呼ぶことになったんだ。
狩屋がさ、
「ほんっとマジ恥ずかしいんでやめてください!」
って言うからさ。
で、メールは…と。
『良いですよ。先輩も暇してますね』
狩屋も暇してるくせに。
まぁ、来てくれるなら良いや。
『暇で悪かったな。お前も暇してんだろ?』
暇じゃなかったら今日はOFFだから狩屋に会えないし。
暇な方が俺は良いや。
〜〜♪♪
「あっ、来た」
『先輩に会いに行くから暇じゃないですよ』
「ばーか…そういう意味じゃないし…」
…本当はわかってるくせに。
どうせいつか言ってた
先輩とどっか行くならいつでも空けますよ
……それを意識させたいんだろ?
全く…素直じゃなくなったな。
あの時に比べて。
そしてカレンダーをふと見て思う。
「……もう2週間も猫になってないのか…」