俺の後輩が猫になった。
□◇10日目◇ 俺の後輩が俺をトキめかせた日。
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「狩屋ー?早くしろーっ!」
「ちょっと待ってくださいっ;」
俺は今から、狩屋と一緒に学校へ行く。
(昨日もだったけど)
「狩屋ー」
「すいませんっ遅くなりました;」
「ん。早く行くぞ。……つーか前閉めろよ」
「えー別に良いじゃないですか」
狩屋は学ランの前を開けていたのだ。
校則では、閉めなくてはいけないことになっている。
「ダメだ。開けてる人ほとんど居ないだろ?」
「じゃあ剣城くんにも言ってくださいよー剣城くんなんて制服着てませんよー?」
「………お前って目立ちたがり屋なのか?」
「は?」
「…いや、なんか、みんなと違うことするってさ」
「違いますよ。しょうがないですね、閉めてあげますよ」
「だから何なんだよあげる≠チて!俺のせいみたいに言うのやめろよ!;」
「はーいはい」
そう言って狩屋は、学ランのボタンを止めた。
「…あ、そうだ。日曜日、空いてるか?」
「え?空いてますけど…何でですか?」
「昨日の夜のこと覚えてないか?遊園地行こうかって」
「あぁ〜!そういえば言ってましたね」
「で、行けるのか?」
「はい。っていうか先輩とどっか行くならいつでも空けますよ」
「そうか…」
…キューンと来た。
「先輩…?」
「ゴメン…なんでもない…///」
狩屋の顔を見れなくなり、逆の方向を向く。
そんな俺を見た狩屋は、前に回って言った。
「……もしかして、トキめいちゃいました?オレに」
形勢逆転してしまったような。
まぁ実際、俺はいつも狩屋にトキめいているんだ。
「霧野先ぱ〜い!狩屋ぁーっ!」