俺の後輩が猫になった。

□◇16日目◇ 俺の後輩が俺のあとをつけてきた日。
2ページ/2ページ




神童「それで…どう返事しようかって…」

霧野「付き合えば良いじゃん?」

神童「え……」

霧野「付き合ってみりゃ良いんだよ、まずは」

神童「だ、だって…俺と天馬、サッカー部だし…」

霧野「いや、それ俺らもだから;」

神童「で、でも…先輩後輩だし…」

霧野「それもこっちも同じだし!;」

神童「ポ、ポジションも一緒だし…」

霧野「俺と狩屋もそうだから!;」

神童「…う゛……;」

霧野「ほら。やっぱ断る理由なんてないじゃん」



狩屋「……付き合っちゃダメです」



「「えっ……?」」

狩屋「オレは、その方が良いと思います」



ガタッ。



狩屋は立ち上がり、帰ろうとした。



霧野「え…ちょ、待てよ狩屋!説明しろよ、今の!」

狩屋「説明って…オレは、霧野先輩が思ってること、言っただけですけど?」

霧野「俺が…?……俺はそんなこと思ってない!神童は天馬と付き合った方が良いって思ってる!」

狩屋「本当に…そうですか?」

霧野「え…」



不意をつかれたような気がした。

狩屋は本当のことを言っている……

そんな気がした。



狩屋「……天馬くんと神童先輩が付き合ったら、霧野先輩もわかると思いますけど」

霧野「…どういう意味?」

狩屋「それは自分で、わかった方が良いですよ」



……わけわかんない。

狩屋が何考えてんのか、全くわからない……。



神童「霧野…?」

霧野「あ…ごめん、神童…聞いてた?」

神童「うん…」

霧野「…狩屋が言ったことはさ、気にすんなよ。俺は、付き合った方が良いと思ってるから」

神童「…じゃあ、付き合ってみようかな…」

霧野「あぁ、応援してるぜ」



だけど俺は、自分の気持ちがわかっていなかった。



そのせいで狩屋を苦しめ、また俺自身を苦しめること…



それもわかっていなかった。



―――――――――――


次は17日目へGO!
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ