俺の後輩が猫になった。

□◇35日目◇ 俺の後輩が猫になってから今まで。
2ページ/5ページ

ピーンポーン…



「来たあぁぁぁぁっ!!!!!」



ダダダダ…と廊下を走って、玄関に急ぐ。



ガチャっ!



「待ってたぜ狩屋っ!」

「………先輩…なんでそんなテンション高いんですか…」

「狩屋が来たから?」

「…聞いたオレが馬鹿でした」



なんだか狩屋はテンションが低かった。



「お昼、買ってきましたよ」

「別に良いのに…」

「具材だけ。スパゲッティ作ってあげますよ」

「やった!狩屋の手料理久しぶりだっ!」



……今更ながら思うけど、

本当に俺、テンション高過ぎないか…?

狩屋とは部活で毎日会ってるのに…なんでだろ。

そんなことを考えながら狩屋を家に入れて、リビングへ。



「じゃキッチン借りますよー」

「サンキューな〜」



…新婚の夫婦かっつーの!;;;;;

まぁ良いとして(決して良くはないけどさ)。

テーブルの方からスパゲッティを作ってるのを見てると、
なんだか楽しかった。

手際良いし、火傷一つしない。

全く…俺とは大違いだ←



「……なんですか。やりづらいんですけど」

「いやー、なんか…器用だなって」

「だから先輩が不器用なだけだって前言ったじゃないですか」

「……」



俺は頬を膨らませ、怒った表情をする。

なんだろう…

まぁ要するに、俺は狩屋に構ってもらいたかった。



「………」



それに気づいたのか、チラッと俺を見る狩屋だったけど…

すぐにそっぽを向いてまた手を動かし始める。



なんだよ…構ってくれないなんて。





……そういえばなぁ…

キスもあれからしてない。

全然甘えてこなくなったし…



なんだか物足りない日々だ。

あんなに波乱である必要はないけど…










もうちょっと構ってほしいな、なんて










思わないわけじゃない。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ