俺の後輩が猫になった。
□◇35日目◇ 俺の後輩が猫になってから今まで。
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ピーンポーン…
「来たあぁぁぁぁっ!!!!!」
ダダダダ…と廊下を走って、玄関に急ぐ。
ガチャっ!
「待ってたぜ狩屋っ!」
「………先輩…なんでそんなテンション高いんですか…」
「狩屋が来たから?」
「…聞いたオレが馬鹿でした」
なんだか狩屋はテンションが低かった。
「お昼、買ってきましたよ」
「別に良いのに…」
「具材だけ。スパゲッティ作ってあげますよ」
「やった!狩屋の手料理久しぶりだっ!」
……今更ながら思うけど、
本当に俺、テンション高過ぎないか…?
狩屋とは部活で毎日会ってるのに…なんでだろ。
そんなことを考えながら狩屋を家に入れて、リビングへ。
「じゃキッチン借りますよー」
「サンキューな〜」
…新婚の夫婦かっつーの!;;;;;
まぁ良いとして(決して良くはないけどさ)。
テーブルの方からスパゲッティを作ってるのを見てると、
なんだか楽しかった。
手際良いし、火傷一つしない。
全く…俺とは大違いだ←
「……なんですか。やりづらいんですけど」
「いやー、なんか…器用だなって」
「だから先輩が不器用なだけだって前言ったじゃないですか」
「……」
俺は頬を膨らませ、怒った表情をする。
なんだろう…
まぁ要するに、俺は狩屋に構ってもらいたかった。
「………」
それに気づいたのか、チラッと俺を見る狩屋だったけど…
すぐにそっぽを向いてまた手を動かし始める。
なんだよ…構ってくれないなんて。
……そういえばなぁ…
キスもあれからしてない。
全然甘えてこなくなったし…
なんだか物足りない日々だ。
あんなに波乱である必要はないけど…
もうちょっと構ってほしいな、なんて
思わないわけじゃない。