俺の後輩が猫になった。
□◆36日目◆ 俺の後輩に俺が甘えた日。
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「んー…じゃあ…薬はどっちもどっちってことか」
「はい?」
「だからー、もともと両思いだったから
いつかはきっと付き合ってたはず。
それを薬が早めた、ってことだろ?」
「あぁ…そうですね」
「だから、まぁ…どっちでも良かったってことだ!」
「じゃあ…苦労したことについては?」
「うーん…まあ色々大変だったけど…
そのおかげで狩屋と一緒にいる時間も増えたし、
なんだかんだ言って楽しかったし……良かったんじゃないか?」
「……あ――…それはそうですね…」
狩屋はゴクゴクっと缶ジュースを飲み干して、遠くを見つめた。
「…?あ、狩屋は?」
「は…?何が?;」
「だから、薬の感想?みたいな」
「感想って…;まぁ、大変でしたよ」
「そりゃあそうだろうな。俺もだし」
「……まぁ、おかげで良いこともたくさんありましたけどね」
「…たとえば?」
「えっ…;それも言わなきゃいけないんですか;」
「当たり前だろ?」
「…たっ、たとえば……?」
飲み終わったはずの缶ジュースに口をつけて、
またジュースを飲む。
「……もうないや」
「お前なぁ;」
「…捨ててきますね」
と歩き出す狩屋の襟をつかむ。
「う゛っ……;;;;;」
「逃ーげーんーな」
「……すいません…;」
「たとえば?」
ちょっといじめてやる。
可愛いし…
何が良かったのかって、
ちゃんと狩屋の口から聞きたい。
「…たと…えば……///」
「うん」
狩屋は真っ赤になって、そっぽを向く。
「ま、毎日…キス…出来たり、とか…
好きとか、ちゃんと言えたり…とか……
…先輩と付き合ったり、とか…//////////」
狩屋は真っ赤になりながらもすらすらと、
猫になってから起こったことを全部言っていった。
そして、最後に
「…こうやって先輩と…長い時間、一緒に居れたり…とか///」
「…………お前さ…」
「は、はい…?」
「記憶力すげーな。全部言ったよ?今までのこと」
「だっ、だって!先輩がたとえばって言うから!」
「ぜ、全部言えなんて…言ってないだろ?;」
「だって全部…嬉しかったし…///」
………反則だろこれは…。
泣いていいかな、嬉し泣きで←