すぺしゃる(文)

□家庭科
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昔は
男子は技術科、女子は家庭科と決まっていたらしい。


が、もちろん今は昔ではない。

男女ともに、家庭科、技術科
両方義務教育課程に入っている。


まぁ、
この来神高校は
義務教育を終えた人しか入れない学校だが、
それでも男女共に両科目共通授業である。




今日の家庭科は
班ごとに家庭料理を作ることが目的の
調理実習となっている。



俺、門田京平は
班作りの日に学校を休んでいた為
余ったところに入れられたようで
班員は校内でも知らぬ者はいない
平和島静雄、折原臨也、臨也の友人の岸谷新羅と同じ班である。


どんな風に有名かというのはまぁ
この話を読んでいる人ならわかるだろうということで省略する。



岸谷はともかく
臨也と静雄に料理なんてできるのだろうか…


まぁ
岸谷だって並にもできないと思うが…



「では、班ごとに考えてきたメニューを
 11時までに作って下さい。」


家庭科の先生のその言葉は
この班においてゴングを意味する。

取り敢えず喧嘩にならないことを祈った。



「じゃあ手順通り、
 俺は味噌汁で、静ちゃんはご飯と野菜切るの頼むね。
 ドタチンは鮭と、静ちゃんと一緒に野菜気って。」


「おう。」



思ってもいなかった臨也と静雄の言葉に
開いた口がふさがらなかった。


「あれ、臨也、わたしは?」

「あぁ、新羅は長ネギのみじん切り頼んだ。」

「えぇ…」


全員にしっかり仕事が与えられ
臨也がいつになくしっかり仕切っていた。

……いや、
臨也は元々優秀だし、このくらいできても全くおかしくはないのだが…

いつもがあれだから
感覚が麻痺を始めてるよだ。


まぁ
それと料理が上手いかどうかっていうのは
まったくの別問題だが…。


「ドタチン?
 魚系は前のテーブルに取りに行かないと…」

「あ…あぁ……」


気が付くと臨也は…
というか3人は、エプロンを付けていた。

いや、静雄のは前掛け
新羅のは白衣に近い…

ただ臨也は
どういうわけか普段は着ないピンクのエプロンだった。


それより驚いたのは
静雄が真面目に、しかも手際よく料理しているところだった。

「臨也、4人分だと、この豆腐は少なくねぇか?」

「あ、ごめん(汗
 つい2人分で持ってきちゃった…」



臨也って…妹含めて5人家族じゃなかったか?


「……」
「ん……」
「ん…」

ほぼ無言で道具やら調味料を取っている…








「夫婦かっ」


「「っ!!」」





















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