國崎出雲の事情(中編完結)

□私と愉快な仲間9
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『ペンギンさん可愛い!』




一番前だから、水の中を泳いでるペンギンさんもバッチリ見れる。写メ撮らなきゃ…梅樹くんもなんだかんだ言って写メ撮りまくってるじゃんか。





『……うわ、高っ!』



「すげぇ!」




餌を取ろうとジャンプするペンギンさん達に梅樹くんと一緒に立ち上がってしまった。
かなり恥ずかしいが、今は気にしない。





『……ね、ねぇ、一番前って運がいいのか悪いのか分からんね』




「……ちいが前がいいって言ったんだろ!」




ペンギンショーが終わった後、私達はびしょびしょになってしまった。原因はペンギンさん達が餌取るためにバンジージャンプをした為、水し吹きが私達にかかってしまった。



私は乾くまで待つからいいって言ったのだが、梅樹くんは風邪引くと言ってお土産屋さんでTシャツ二枚を購入。





『………ぶっ…に、似合ってるで…!』




「お前が選んだんだろ!」





ライオンのTシャツを着た梅樹くん。かなり似合ってる…本人も気に入ったらしい
私はペンギンさんのTシャツを選んだ。




『だって、梅樹くんは絶対ライオンやろ?』



「お前はペンギンなんだな」



『可愛いやろー!うちペンギンさん好きなんよ』




へへへと笑うちい。こいつもペンギンTシャツ似合ってるし。





『梅樹くん!見てペン汰くんだー!』



「ぺ、ペン汰?」



『雑誌で見たで!ペン汰くんは水族館のマニアマスコットなのだよ!』




「よく知ってんな」



『調べたんよ!今日は元から梅樹くん誘って出掛けようかなって思っててん』





まあ、梅樹くんに用事あったら一人で来る予定だったんだけどね、と苦笑いしてる。本当に用事あったらどうするつもりだったんだ。






とにかく、元気みたいだから安心した。
紗英の事もあったしな。






『どないしたん?』



「いや、なんでも。それより観覧車乗ろうぜ」



『…………………』



「なんだよその目!乗りたいんだからいーだろ!」




『……何も言ってないよ』





確かに見た目は不良のくせに子供みたいだなとは思ったけどさ…まさか考えが当てられるなんて思わなかった。





「ちいは乗りたくねーのか?」



『梅樹くんがどうしてもって言うなら乗ってもいいよ』




「……乗る」




『じゃあ、乗ろっか』






俺の腕を引っ張り観覧車の方に走っていく。こうゆうのを見ると少女マンガに有りがちなやり取りだよなと冷静に考えてしまう。


観覧車も少し並んでいた。何を話そうとかこれからどうしようだとか悩んでいると横に居るちいが少し前を指さした。







『……紗英くん…』



「あ?」










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