國崎出雲の事情(中編完結)
□私と愉快な仲間9
1ページ/6ページ
『あれ、松樹くん出かけるん?』
「ああ、ちょっとな。それより買い物頼めるか?」
『買い物ですか?』
「暇だったらで良いんだが」
『…行く。何を買ってくるんですか?』
「これに書いといた。バカ兄貴も誘ってみろ、荷物持ちにはなるだろ」
『うん、いってらっしゃい松樹くん』
何か用事があるらしく買い物リストだけを私に渡して出かけていった。メイドカフェに行ったのかな…ポイントカードいっぱい捨ててあったからな。
『うーめきくん』
「……んだよ」
ふわあーっと欠伸をしながらこちらを見つめる梅樹くん。ちょっと可愛いとか思ったり。
『…あのね、松樹くんから頼まれ事したんだけど一緒に行かん?』
「ああ?頼まれ事…一緒に…で、デート…」
『買い物リストもちゃんと渡されたんだけど、私じゃ持ちきれんのよ』
いや?と首を傾げるちいにうっと息が詰まり、顔が赤くなるのが分かる
首を横に振り、着替えてくると言えば私も支度する!と部屋に戻るちい
「……何着るかな」
乙女かと言われれば否定できないが、仕方ない。てゆか、こうゆう時に松が居ないのは不便だ。
『梅樹くん、まだ?』
「ば、開けんな!」
ノックをして入るよー?とドアを開けようとするちい。いやいや、今開けられたら俺パンツ一枚だからな?!
『早く行かんと夕方になってまうで?』
「わ、わかってるよ!!」
結局悩みに悩んでいつものジーパンに黒いパーカー、中は白のタンクトップだった。ちいは腰回りがキュッとしてる白のワンピースにカーデを羽織るだけ。
『………あんなに悩んでたのにいつもと変わっとらんね』
「う、うっせー!!」
なんかんだ出かけたのは昼になってしまった。ご飯を食べ、松樹くんの買い物を終わらせた私と梅樹くんは余った時間で水族館に行く事にした。
『うわ、水族館久しぶり!』
「まずどっから見っか」
『うち、ペンギンショー見たい!』
「引っ張んなって」
行列が出来ていたペンギンショーに並び席を取る。なんと一番前だった。
『早よやらんかなー。ペンギンさんペンギンさん!』
「………………ガキ」
『猫とジャレてた梅樹くんには言われたない!』
ペンギンショーが始まるまで言い争いをしていた。猫について暑く語っている梅樹くんに笑いがこぼれる。
、