私は戦国武将。
□仕え忍び
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「……は」
とさっ
声がしたと思うと、何処からともなく少年が現れた。
黒髪のはねた短髪に、藍鼠色の装束。
袖はたくし上げられ肩まで肌を晒し、彼の腰周りには短い佩刀が幾つか下げられている。
その見た目からすると、忍だろうか。
「やはり貴様か。尾けられるとはな…何用だ」
「…恐れながら、咲様…」
「畏まるな。誰もいない」
忍に一瞥もくれず、たんたんと言った。
「……」
主の言葉に、一瞬言葉を詰まらせる。そして戸惑った表情を浮かべながらも、少年は話し始めた。
「…咲、何でこんなことしてんだ。あんたは戦わなくてもいいだろ」