私は戦国武将。
□仕え忍び
2ページ/2ページ
口調が崩れると、少女は微笑した。
「知れたこと。『女に飽いた』、只其れだけだ」
「…嘘つけ。話し方も、態度も…全部変えてるだけじゃねぇか」
言葉を重ねるに連れ、口調が強まる。悲しみを帯びた、真剣な眼差しを彼女に送ると、
「壬吉は、どう思う?」
「!!」
あのときの微笑み。それがあった。
「お前は判っているんだろう?私と同じくらいに」
「…」
「この話は終いだ。城へ戻り、残りを聞く。まさか、そんな話だけではないだろうしな」
それだけ残して、二人は歩き出した。