私は戦国武将。
□女
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「…咲様、その報せ、どうお答えになるつもりで?」
先ほどと同じく、重職が言った。
「どうもこうもない。受けるに決まっている」
「し、しかしながら、いささか危のう御座います…」
「何がどう危ないと言うのだ。戦を起こすわけではない」
「は、ですが…」
俯き、顔を汗で濡らしながらぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。
家臣が主の意に逆らおうなどすれば、最悪首をはねられてもおかしくない。
周りも冷や汗ものだった。
「…私が、女人だからか」
「!!」
その場にいた全員が息を呑んだ。
そしてその態度が、彼らの心の内を物語っていた。
「風神の孫が、弱々しい女だとばれるのが怖いか?おまえたちの恥か?」
「いっ、いえ咲様っ」
「断じてそのようなーーー」
「言い訳など要らぬ!!」
怒りよりも悔しさが、悲しみよりも苦しさが身体を駆け巡った。
「…この国の主は私だ。私に従ってもらう」