ミナクシ 2

□ボンビーガール 2
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頭が痛くて、私はゆっくりと瞳を開く。
首に堅いモノがあたっているのをぼんやりと認識する。

視界に広がる見たこともない天井。
綺麗なシャンデリアが見える。

「?」

私は自分がどこにいるのか分からずに眉をよせてしまった。
霞が掛かっているような頭で考えるが何も分からない。
ゆっくりと寝返りを打つ。
頭痛が私を襲う。
思わず瞳を閉じた。
目眩までもする。

それから恐る恐る瞳を開けた。
そこには間近にミナトの無邪気な寝顔があった。
眠っていてもミナトは整った顔をしているんだなとぼんやりと思う。
完璧に整った顔を私はしばらく眺めていた。

「っ!」

それから、どうして私はミナトと一緒に寝ているのだと気がつく。
寝ているのは豪華な天外が付いている大きなベッド。

私は静かに自分の身体を見下ろした。
何も身に付けていない。
生まれたままの姿。

恐る恐るミナトを見ると、彼も見える範囲では何も着ていないようだ。

「っ!」

悲鳴を上げそうになってしまうのを必死で堪えた。
どうしてこんな状態になっているの?

私はミナトから離れようとしたけど、引き寄せられてしまった。
ミナトの体温を全身で感じて何も考えられなくなってしまった。

「クシナ」

ミナトが瞳を閉じたまま私の名前を呼んだ。
その声は掠れていて、色気を含んでいる。
身体が粟立った。
どうやら寝言らしい。

どうしてこういうことになっているんだっけ?
私はミナトに抱きしめられながら考えた。
これが現実だなんて到底思えなかった。

確か昨日はミナトと映画を観に行き、そのあと買い物。
それから高級ホテルのレストランで食事をした。

……食事をして、それから?
それからの記憶がない。
途中までは、ある。
さすが高級ホテルのレストラン。
料理はとても美味しかった。
そこは覚えている。

ズキズキする頭を必死で働かせながら思い出す。

ワインを飲んで……。
そうワインを3杯飲んだところまで覚えているけど……。
そのあとの記憶が無い。

ワインに酔ってしまったのだ!

でも、どうしてミナトとこんなことになってしまっているの?
訳が分からない。

ミナトはまだ眠っているようだ。
先ほどは寝ぼけて私の名前を呼んだのだろうか?

……身体は怠い。
少しだけ、下腹部に違和感がある。

「っ!」

もしかして!
私、ミナトとしちゃったの?
しかも服を着ていない。
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