ミナクシ 2
□愛の言葉
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私はベッドにダイブするように倒れこんだ。
もう何も考えたくない。
ミナトの返事は分かっていた。
きっと、そう言うって。
でも、少しだけ望みをかけてみたかった。
ミナトが私のことを本当に好きなのかどうか知りたかったから。
やっぱり、ミナトは私のことをそんなに好きじゃないんだろうな。
今まで考えないようにしていた。
これで決定打だ。
私は肺に溜まっていた空気を一気に吐き出した。
もう疲れた。
溢れてきた涙を私はそのまま流し続けていた。
ミナトに告白したのも、付き合ってと強要したのも私。
多少強引だったのも自覚していた。
それでも私はミナトのことが好きだったから必至だった。
だって、ミナトのことを好きな女の子はたくさんいた。
その中には女の私でも見とれてしまうほど可愛い子もいたのだ。
じっとなんてしていられなかった。
16歳でなんとか付き合ってもらえるようになった。
当時、ミナトは私のことをそんなに好きではないだろうということもなんとなく感じていた。
だけど、付き合っていく内に好きになってもらえるように頑張ろうと思った。
あれから3年。
結局、ミナトは私と付き合っているけど、私のことはそんなに好きになってくれなかったんだなぁと実感した。
私なりに頑張って好きになって貰う努力をしたつもりだ。
ミナトの負担にならないように、彼が忙しくても文句を一度も言ったりしなかった。
会ってくれたときはいつも笑顔でいるようにしていた。
お互いの誕生日やクリスマス、バレンタイン。
そして年末年始など、恋人たちのイベントは一通り行った。
ミナトも楽しそうに付き合ってくれた。
だからミナトも私を好きになってくれていると思った。
でも違った。
ミナトは私に触れることを極端に避けた。
手を繋ぐのはいつも私から。
初めてミナトとキスをしたのは付き合い始めて一年以上経ってからだった。
そして身体を初めて重ねたのが半年前。
しかもまだ2回しかしていない。
お互い一人暮らしなのに少ないのではないだろうか?
……普通が良く分からないけど。
ミナトが優秀で高ランクの任務をしていて、忙しいのも理解しているつもりではいるけど。
これではあんまりではないだろうか?