ミナクシ 2
□スプレンドーレ
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10月。
大学1年生後期の授業が始まった。
俺はイタリア語Uの授業がある講堂へと移動する。
緊張しながら。
本来なら俺は受けなくても良い授業。
だけど、俺はイタリア語Uを履修した。
もしかしたら彼女もこの授業を履修しているかもしれない。
そう思ったからだ。
✽✽✽✽✽
俺は大学1年の前期にイタリア語を履修した。
あまり深い意味はなかった。
第二外国語をイタリア語にしたのも、なんとなく、だった。
もともと生真面目な性格が災いしてか、俺はイタリア語の授業を律儀に受けていた。
そこで、俺は一人の女生徒に自然と目が行くようになっていた。
その女生徒の真っ赤な長い髪がとても綺麗だと感じていた。
イタリア語以外の授業で見かけることがなかったので、俺とは学部が違う。
分かることはそれくらいだった。
初めてイタリア語の授業が会った時から気になっていた。
理由は自分でも分からない。
なんとなく彼女を視線で追ってしまう。
2回目のイタリア語の授業中、彼女がふいに俺の方へと顔を向けた。
一瞬の出来事だった。
ともて彼女が輝いて見えた。
凄く可愛い。
この世のモノとは思えないほどだった。
彼女からは直ぐに顔を逸らされてしまったけど、俺は身動きが出来なくなってしまっていた。
呼吸仕方さえ分からなくなってしまった。
衝撃は大きい。
何が起きたのか、一瞬理解出来なかった。
心臓が破裂しそうなほど、バクバクと音を立てている。
しばらくして自分の顔が真っ赤になっていることを自覚した。
彼女のことが気になりだしたら、もう止まらなかった。
イタリア語の授業がある時は彼女を探してしまう。
いつの間にか、俺はイタリア語の授業が楽しみになってしまっていた。
「ミナト、それは恋だろ」
友人に彼女のことを話していて初めて自分の気持ちに気が付いた。
……友人には呆れられてしまったけど。
言われるまで、本当に気が付かなかったのだ。
自分が恋をしているなんて……。
だけど凄く納得した。
彼女を見るとドキドキしてしまう自分がいる。
ずっと彼女と一緒にいたい。
そう思った。