ミナクシ 2

□瞳を閉じて
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私はミナトと付き合い始めて、3年目に突入した。
現在私たちは20歳になった。

「………」

私は昔のアルバムを整理しながら、そんなことを考えていた。
17歳のころから付き合い始めたんだよね〜なんて当時の写真を見返す。
写真を2人とも今よりかなり幼く感じてしまう。

そう言えば、最近は写真を撮らなくなったことに気が付く。
付き合い始めた当時は良く写真を撮っていたのに。

もう付き合っていることに目新しさがなくなってきたのかもしれない。
3年目だし。

マンネリ化するのは良くない。
うん。
良くないよね。

年齢を重ねてもずっとミナトとは付き合い始めたばかりの恋人同士でいたい。
そんな風に見られたい。

何か対策を考えなければ。
でも、どんな?
咄嗟には思い浮かばない。

写真は撮らなくなったけど、あまり付き合い始めたころと変わらない。
喧嘩はたまにするけど。

最初は一緒にいるだけで緊張してしまっていたけど。
今は緊張しない。
ミナトと一緒にいると浮かれてしまっているのは変わらない。

ミナトは以前と変わらず、優しく私に接してくれる。
いつも笑顔のミナトに私もつい笑みを浮かべてしまう。
私も好きだという気持ちは全く変わっていない。

これだけで十分なのかな?
今度ミナトに相談してみよう。
そんなことを思いながら私は写真の整理を再開させる。

だけど。
私はあることに気が付く。

ミナトは未来に対して、何も言及したことがない。
私は思わず顔を顰めてしまった。

嫌なことに気が付いてしまった。
自分でも後悔してしまう。

デートの約束はもちろん、する。
でも将来のことは何も語らない。

あれ?
それに……。

私はますます嫌なことに気が付いてしまった。
本当に気が付かなければ良かった。

ミナトは私に付き合おうと言ったことは一度もない。
それどころか、好き、と言われたこともないような気がする。
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