ミナクシ 2

□花束を君に 2
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スマホのアラームが鳴り出す前に、ぱっちりと目が覚めた。
何度も瞬きをしてみる。

昨夜、渦巻さんとキス、したんだよなぁと思い出す。
感触を覚えている。
気が付いたら手で唇を抑えていた。

「っ!」

昨夜の渦巻さんを思い出した。
凄く可愛かった。

キスを終えて、もう一度俺は付き合って欲しいと渦巻さんの改めて言った。
渦巻さんは顔を真っ赤にさせたまま何度も頷いてくれたのだ。

その光景が脳裏に浮かぶ。
叫び出したくなるのを俺は必死で抑えた。
ベッドの中で悶えてしまう。

ちゃんと付き合えるようになったのだ!
渦巻さんと!

夢みたいだ!

渦巻さんと付き合えることが凄く嬉しい。
できれば、将来、渦巻さんと結婚したい。

俺はそこまで考えてしまっている。
それほど渦巻さんのことが好きなのだ。

渦巻さんにも俺のことを好きになって貰えるように頑張ろう。
嫌われないようもしないと。

最近、渦巻さんの好みを少しだけ知ることが出来た。
でもそれはまだ氷山の一角に過ぎないだろうし。

もっともっと渦巻さんのことを知りたい。
そして俺のことも知ってもらいたい。
そう思ってしまう。

セットしていたスマホのアラームが鳴り出す。
俺はむくりとベッドから起き上がった。

来週の金曜日は渦巻さんの一緒に日帰りで京都に行く日。
初めてのデート、になるのだろうか。

思い出に残るようなデートになると良いな。
努力は惜しまない。

今日は土曜日。
俺はノートパソコンを立ち上げる。
そしてコーヒーを淹れるためにキッチンへと立ち上がった。

コーヒーメーカーをセットした後、顔を洗う。
すっきりした。

渦巻さんが楽しんでくれるように、もっと京都旅行の下調べをしておこう。
コーヒーを片手に部屋へと戻る。

俺は意気込みながらノートパソコンを覗き込んだ。


✽✽✽✽✽


「なんだ、ミナト。やけに今週は機嫌が良いな?」

上司の綱手さんに言われた。
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