ミナクシ

□いつか、きっと
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大学のカフェテラスで空き時間をミナトはクシナとお茶をしている時だった。
「え?」
ミナトはクシナに聞き返した。

2人が付き合いだして数年。
今年でお互い大学2年生になった。
ミナトは付き合いだして随分経つというのに、クシナを前にすると初めて出会ったころのようにドキドキしてしまう。
学部は違うが同じ大学に入り、こうして空き時間を見つけてはミナトはクシナと一緒に過ごしている。

「もう一度言って?」
ミナトはもう一度聞き返した。
クシナは上機嫌のようでニコニコとミナトに笑顔を向けている。

「だから、今度、ウエディングドレスを着るってばね」
彼女の可愛らしい口癖は出会った頃と変わらない。
相変わらず、ミナトはクシナの笑顔に思わず見とれてしまいそうになる。

ウエディングドレスを着る?
クシナが?
そりゃ、クシナが着れば赤い髪も際だって凄く綺麗だと思う。
けれど。
「……どうして?」
どういった経緯があってクシナがウエディングドレスを着ることになるのかミナトには皆目見当もつかない。

「私の学部の先輩のミコトさん、覚えてる?」
クシナから言われて、以前クシナから紹介して貰ったのを思い出す。
黒髪の綺麗な女性だった。
「彼女がどうかしたの?」
ミナトは訳が分からず聞いた。

「モデルの仕事してるんだけど、一緒にやらないかって」
「ええ!?」
ミナトは驚いてしまった。

「まぁ、試しに一回だけって。それがウエディングドレスのカタログだってばね」
着てみたかったんだぁとクシナは頬を染めている。
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