君との証を
□5契り
1ページ/2ページ
気合い十分、欲望十分、ついでに食欲十分。
でもネコちゃんの数は不十分。
「おい新八……今何匹だ……」
「えーと…まぁ30匹ってとこですね……」
「……………」
このままじゃ日が暮れる。つーか暮れてる。現在6時ちょい過ぎ。橋の上で新八と太陽の消えた方向へたそがれていた。
このくらいの時間には神楽は先に帰すもんだが、アイツはとっくに飽きてどっかに行ってしまっている。チクショウ。
「やべーよ、ネコなんて闇にまぎれてどっかいっちまうだろ」
やっぱ無茶だったか……いやでもパフェが!!
「あり?旦那じゃねーですかい」
……闇にまぎれて、ネコよりタチの悪いやつらがやってきた。
「…沖田くん、なにしてんの?」
「何って巡回中に決まってんだろ。おめーみたくネコ追っかけてるほど暇じゃねーんでな」
……………こいつもいたんだ…………………。
「あ、どうも。でもなんで僕たちがネコ探ししてるって知ってるんですか?」
「さっきそこでチャイナと一戦交えてきたんでぃ」
「あいつどこほっつき歩いてると思ったら……」
「銀ちゃ―ん!!探したアルヨ!!」
……………おい。
「なにやってたんだよ神楽」
「あっいた!!そこのサドとケリつけに来たある!!」
こいつネコのことは完全に忘れてやがるな。取り分はナシにしてやる。
「……ったくいいから…」
帰るぞ、と続けようとした言葉は、息を飲むのに飲みこまれた。
「へ?」
グラリ、と重心を揺らした神楽が橋の欄干にぶつかり、
老朽化が進んでいるのか、欄干は彼女を支え切れずに、
ガシャン、崩壊。
「神楽!!!!」
沖田くんが大きく目を見開いたのを視界の隅にとらえた。
その横をすりぬけ、神楽の体を後ろへ放り投げる。
そんで
「銀時!?」
土方の声を背に
下に体重をかけた俺は、そのまま落下した。