君との証を
□8契り
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ふぅー
煙草の煙を深く吸い込み、吐き出す。
「やっぱり、『アレ』は本当だったのか……」
「えぇ…………」
「やっぱり…
万事屋は妊娠してたのか」
「そうかぃ……」
「…………」
報告を受けてから、近藤さんも総aも何もしゃべらない。……いや、しゃべれなかった。
掛ける言葉がない、とでもいうのだろうか。あの総aですら気まずそうに目線を反らす。
必死に女(絶賛片想い中)を探して探して探しまくって(見つからなかったけど)、やっと帰ってきたと思ったらどっか他の男の子どもを宿してきました。めでたしめでたし。
………報告を受けた後、一瞬ホンキでトモエたんに乗り換えようかと思った。
「……さっ三人とも無事で良かったじゃないか!!なっ!!」
近藤さんが場をとりなすように明るい声を上げる。ああ、近藤さん、俺の大将はやっぱアンタだけだよ………
「……正確には4人ですけどね」
いらん訂正を加えた山崎が、総aに勢いよくはたかれた。俺はもう反論する気さえ起これない。
「………ま、あんまり落ちこまねぇでくだせぇ…」
………なんとかしてくれ、この敗北感。