君との証を
□10契り
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「あらあらまぁまぁ」
井戸の端にて会議してるようなおばちゃんみたいな言い方で、お妙が俺の腹を撫でた。
半年でちょっと髪が伸びた気がするが、気のせいかもしれない。だからおばちゃんっぽいのも気のせい気のせい。うっかり口を滑らせたら…………
……強いて例をあげるとすれば、どこぞのメガネは「あれ?姉上老けました?」とか再会で開口一番そうのたまって地面にダークマターと共に沈んだ。
ちなみに同行していた中華少女は「…あ、姐御相変わらずピチピチアルナ!!」と速攻でとりなして難を逃れるに至ったらしい。
メガネの二の舞になってたまるか、逆にこっちが空を舞うわ!!
「やっぱり、随分大きくなったわねぇ。そろそろ赤ちゃん用品買っといた方がいいわよ」
「あー、それなんだけどさ…、なんか残ってない?情けねぇ話だけど、あんまし手持ちないんだ」
「新ちゃんのやつならもうないのよ。私のお古だから、あったとしてもボロボロじゃないかしら」
「……んー、借金だけはなぁ…」
これもあくまで例なのだが、どこぞのマダオがいい教訓だ。金を借りてもろくなことにならない。
いつもなら危ない橋でも平気で渡るが、腹の中の子どもには無茶をさせたくない。