混合夢小説

□trick8 前編
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今夜も一護とルキアは虚退治に精を出していた。
一「今夜はもう虚いないんじゃねーか、ルキア?」
ル「ふむ。伝令神機にも反応がないからな。今宵はもうよいだろう。」
二人が黒崎家に戻っている時のことだった。
一「ん?」
ル「どうしたのだ一護?」一「いや、何かいる感じしねえか?」
ル「そういえば…。行くぞ。」
着いた場所は灯りは少なく、遊具も少ない小さな公園だった。
一「ここら辺だよな?」
ル「うむ。」
公園を見渡している時に
テ「どうかしたの?お兄ちゃんお姉ちゃん?」
「「うおっっ!!」
そこにいたのは体が透けた10才前後の少年だった。
一「ルキア、こいつか?」ル「そのようだな。」
ヒソヒソと話している二人に首を傾げるテツ。
テ「二人とも僕が見えるの?」
一「ああ、見えるぜ。」
ル(一護、早くこの者を魂葬しなくては。)
一(分かってる。)
一「お前、名前は?」
テ「テツだよ。」
一「そうか。良い名前だな。俺は黒崎 一護だ。」
テ「ふ〜ん。そっちのお姉ちゃんは?」
ル「朽木 ルキアだ。ところでテツとやら、お主、流魂街に行かぬか?」
テ「流魂街って何?」
一(そりゃ、いきなり言われても分かる訳ねーよな。)
ル「流魂街とは死した魂が行き着く場所だ。勿論恐い所では無いぞ!!腹は減らぬし、勉強もしなくてよい!!どうだ、行く気になったろう?」
テツが不安そうな顔がしたので、慌ててフォローを入れるルキア。
テ「うん…。でも、まだ…ダメ。」
ル「何故だ?」
テ「鳥のお姉ちゃんと約束してるの。僕がここから離れるのヤだって言ったら、じゃあお話をしてあげるから全部終わったらここからいなくなる事は出来る?って。それでね、もう少しで終わりだから後ちょっとだけ待ってて!!」
凄く真剣に頼んでいるテツを見て魂葬したくても出来なくなってしまった一護とルキア。
一「どうする?ルキア。」ル「たわけ。事情はどうあれ流魂街に行かせるべきだ。情を流されるとは死神失格だ。」
一「だけどよ。…待て、俺に良い考えがあるぜ。」
そしてテツに向き直る一護。
一「じゃ、こういうのはどうだテツ?話が全部終わったら俺が流魂街に連れてってやるってのは。」
ル「何を言っているのだ貴様は!?」
一「そのお姉ちゃんが来るまでは俺らも話し相手になってやるぞ。」
そう畳み掛ける一護にテツも頷いた。
テ「うんっ。それなら大丈夫だよ!」
ル「おいっ!一護!?」
一(大丈夫だ任せとけ。)一「よし、そのお姉ちゃんいつ位に来んだ?」
テ「う〜ん、大体1週間に一回くらい来るよ。」
一「じゃあ最後に此処に来たのはいつだ?」
テ「多分、4日くらい前だったよ。」
一「そうか。分かった。それで、その『鳥のお姉ちゃん』って何なんだ?」
テ「あのね、足にローラースケートみたいなの履いてるの!それでね、鳥みたいに僕の所に来るから『鳥のお姉ちゃん』って呼んでるんだ!!」
一「そうなのか。分かった。サンキュ。じゃあまた明日来るな。」
テ「うん。バイバイ!」
そしてルキアを連れてその場から去る一護だった。



帰り道ではルキアが一護を責めていた。
ル「どういうつもりだ一護!?あの者を魂葬せずに!?」
一「うっせええな、いいじゃねえか別に。その『鳥のお姉ちゃん』が来るまでそいつの話し相手と虚退治両方やればいい話だろ?」
ル「それはそうだが…。」
それでも渋るルキアを見て気になっていたことを話しだす一護。
一「いいかルキア、多分テツが言ってた『鳥のお姉ちゃん』ってのは多分暴風族(ストームライダー)だ。」
ル「暴風族(ストームライダー)?何なのだそれは?」
一「ライダーってのはローラースケートっつうやつに似たA・T(エア・トレック)っていう機械を使って街とかを走ってる奴らだ。詳しいことは俺も知らねえけど。」
ル「ふむ。だが只霊が見えるだけなら少ないとはいえいるではないか。お前や妹のように。」
一「ああ。だけど俺が気になってんのはそれだけじゃねえ。井上が狙われた時にあいつを助けた奴がいたらしいんだ。それがライダーだったらしい。」
ル「何?確かに只人でも密度の高い霊子であれば触ることは出来るが。虚から助けるだと?ありえん。」
一「ああ。でももしテツが言ってた奴と井上を助けた奴が同一人物だったらどうする?」
ル「成る程。確かに気になるな。よしっ、一護!!その者を見つけるぞ!!!」
一「おお。」
一(そいつが本当に見えるんだったら、どうしてこんな事したのか聞かねえとな。)
ル(その者が見えるのであれば正体を確かめねばなるまい。)
考えに温度差がある二人だったが正体不明のライダーを見つけることにしたのだった。
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