混合夢小説

□trick8 中編
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3日目 夜
SIDE 水色
水色はただいまお付き合い中の女性宅にいた。
水(彼女の名前はレイコさん。薄い茶色の髪に茶色の目の美人系お姉様。って紹介はこの位にしておいてっと。)
ベランダ際に立っていたレイコに抱きつく。
水「レ〜イコさん!どうかしたの?顔が暗いよ?」
レ「そうかしら?少しこの月の色が懐かしくって。」
そう言ってふふっと笑うレイコはとても美しい。
水「月の色?…って月が真っ赤。」
レ「“鮮血の月”よ。」
水「“鮮血の月”?何それ?」
部屋に戻りながら物騒な響きに眉を寄せる。

レ「私達って…今は違うんだけど。“鮮血の月”はねライダーにとっては戦いの前兆(みしるし)なの。」
水「戦いの前兆って…何かあるの?」
レ「その月が出る夜は空を求める戦士達の戦いの夜。そして誰かが血を流す。その血が月に現れているのよ。」
いつもと違う表情をしている彼女は水色が見たことのない女性だった。
水(でも…綺麗だな。)
水「血が流れるって…バトルじゃ皆怪我してる気がするよ?」
レ「ちょっと違うの。その夜の傷はね、二度と飛べなくなる位の傷を負うか、…死ぬわ。私の足の傷は見たでしょ。あれはね、こういう夜についたの。」
水「そ…そんなの、偶々じゃない?」
いつもと違う様子のレイコに気付くと水色の手には暑い訳でもないのに汗が滲んでいた。
レ「そうね。偶々かもしれない。でも、大抵大きなチーム同士の抗争やA・T界の別れ目の戦いの時は殆んどって位こういう夜なのよ。不思議よねえ。」
水「じゃあその夜以外に戦えばいいじゃん。」
レ「お月さまはどうしようもないしね。それに…」
水「それに?」
レ「其処からは秘密!」
にっこりと微笑みながら余りの解答を出したレイコにガツンッと机に頭をぶつけた水色。
水「ちょっとレイコさん!?どうしてそんな良い所で教えてくれないの!?」
レ「何となくよ、何となく。それよりそろそろお風呂入ってくれば?」
水「後で絶対に教えてもらうからね。」
レ「ハイハイ。」
適当に水色を躱すレイコ。水色が浴室に入って行くのを見届けた後。
レ「それはね、私達の誇りが許さないのよ。」
と、ライダーの顔で小さく呟いた。




同時刻 SIDE 名無しさん 名無しさん


「今夜は“鮮血の月”…か。久しぶりだね。」
テツの所に行く用意が終わり、家を出ようとしていた名無しさんを迎えたのは血の色をした三日月だった。
「全く、どうしてこんな夜に限って!」
(でも、今夜は約束の夜だ。約束を破る訳にはいかない。)
昔に決めた自分の掟は絶対に破らない。
「はあ。それにテツ君は幽霊だから何もあげられないのよね。・・・さて、行きますか。」
そこから名無しさんの姿は掻き消えた。




同時刻 SIDE 黒崎 一護
一「今日『鳥のお姉ちゃん』が来るんだよな?」
テ「うん。それにしてもお兄ちゃん達はお姉ちゃんに会ってどうするの?」
その問いにギクッとする一護。
一(結構鋭い所あるよなテツのやつ。)
一「いや、俺らみたいに見える奴って珍しいからよ。どういう奴かなぁ・・・と。」
テ「へえ。そうなんだ。」
疑いの目を向けてくるテツにたじろぐ一護。
一「な・・・何だよ?」
テ「別に〜〜。」
目を逸らした理由を聞き出そうと悪戦苦闘している一護。だがそこにルキアの声がかかった。
ル「一護。虚の出現だ。行くぞ。」
一「こんな時もかよ。テツ、ちょっと行ってくるわ。お姉ちゃんが来たら教えろよ。」
テ「分かってるって、いってらっしゃい。」
駆け出した一護とルキアを見送ったテツ。
そこで、あることを思い出す。
テ「お姉ちゃんって・・・いつも人がいない時にしか来ないよね。何でだろ?」
テツが考え始めた時に、待ち人が来た。
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