混合夢小説

□trick9
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side 朽木 ルキア

名無しさんの接触があった数日後、ルキアは“浦原商店”に訪れ、店主の浦原 喜助から商品を受け取っていた。
浦「はい朽木さん、これが商品のソーマフィクサー60本と記換神機1パックですね。」

朽「例の物は?」

浦「ああ、倉庫にありますよ。ウルル〜倉庫まで行って取ってきてくれないかな?」
そう呼ばれた前髪が二つに分けられた内気そうな少女ウルルは倉庫に向かっていった。

浦「箱に新品て書いてあるから。」

ウ「分かりました。」


ウルルが倉庫に入っていった後、ルキアはもう一つ話をした。

ル「浦原、あともう一つ。」

浦「はいはい何でしょうか朽木さん?」

ル「暴風族(ストームライダー)というものを知っておるか?」

浦「ああ、A・Tって奴で夜そこら辺走ってる人たちでしょ?それが何か?」

ル「うむ。数日前に幽霊が見えるライダーと接触した。しかもその者は一度虚を撃退しているらしい。」

浦「そりゃまた、大層な御仁ですね〜。それで、そのお方の顔を見たりとか話とかしたんすか?」

ル「話は一護がしたらしいのだが、どうもあちらに私のことがバレている可能性がある。顔はゴーグルで分からなかった。」

浦「あ〜、そりゃ結構マズいかもっすね〜。霊が見えるってのはまだしも、死神のことを知ってるってのがちょっと。分かりましたよ。その人のことはこっちでも探してみます。で、記憶消しとけばイイんでしょ?」

ル「ああ。頼む。」

浦「了解しましたよっと。勿論お代は頂きますけどね〜。」

そう話している内にウルルが白い布で包んだ物を手に取り、浦原に手渡す。

浦「ありがとねウルル。ジャ、朽木さんこれが頼まれてた物っすよ。」

ル「む…。これしか無かったのか?」

浦「大変だったんすよ。それでも二番人気のヤツだったんすから。」

ル「む…。二番人気だったのか。ではまた来る。」

浦「これからもご贔屓に。…朽木さん、いつまでも隠し通せるもんでもないっすよ。」

ル「分かっている。」







    side名無しさん 名無しさん

名無しさんは一護に会った日から数日、一護が分からない程度で一護を避けていた。

(もしあたしがあの夜に会ったライダーってことが知られたらどうしよう。ほとぼりが冷めるまで黒崎君からは離れておこう。)

そう思うと同時に自己嫌悪で溜息が出る。

(本当にあたしって自分勝手。自分のことを知られたくないから黒崎君と話してないっていうのもあたしの勝手、本心だと寂しいって思ってるのもあたしの勝手、自分のエゴばっかりじゃない。)

またグルグル考えこんでいく内に再び溜息が出る。

学校に来てからほとんどこの状態だったので周りから心配されるのと同時に周囲からは綺麗ながらも儚げな容姿や丁寧な話し方、物腰の柔らかさから本人の与り知らぬ所で高嶺の花扱いされているので遠巻きに眺められているだけだった。

(これからどうしよう…。)




    side 黒崎 一護

一(この頃、名無しさんと話せてねえな。というより会えてねえ。)

今、一護の頭の中で一番考えてることは名無しさんとのことだった。
数日前から名無しさんは用事があるので今日は会えないとメールが着たり図書室に行っても本人がいない、たまに見かけるのが関の山だった。

(何か避けられてる気がすんだよな。俺、何かしたっけ?)

啓吾や水色達と話している時もそれが頭から離れなかった。

水「一護、どうかしたの?」

一「いや、何でもねえ。」

そう思い廊下へ目を向けると丁度ルキアが入ってきた。

ル「皆さん、おはようがざいます。…黒崎君、ちょっとよろしいかしら。」

一「はあ…?ウッ。」

ルキアは一護の返事を待たずに一護を拳で気絶させ引きずっていく。

ル「皆様ごきげんよう〜。」
引きずられていく一護を見るしかない一同。

水「今、朽木さん一護の腹を殴った…よね?」

啓「俺は何も見ていない。」

啓吾は顔を染めながら手を顔にかざして見えないジェスチャーまでしていた。



       渡り廊下

ルキアは一護にある物を渡していた。

一「何だこれ?つーかこれ、アヒル?」

ル「チャッピーだ。二番人気なのだぞ。義魂丸という。もしくはソウル・キャンディーともいう。私がいない時に虚が出たらそれを使え。」

一「成る程な。でもどうやって使うんだ?」

ル「ふん。使ってみるのが一番だ。」
そう言うと同時にチャッピーの口から緑色の玉を出させさせ、一護に飲ませる。
そうすると同時に死神状態の一護が出る。

一「おうっ。じゃあ今こん中には。」

ル「ああ。代わりとなる人格がお前の中に入っている。」

一護は自分の身体を振り返る。
しばらくすると、一護の身体が起き上がり二人に敬礼をする。
(一)とします。

(一)「わたくし黒崎一護、座右の銘は早寝早起き、精一杯任務をいたす所存であります。」

自分の身体であるのに、普段の自分とは全く違い満面の笑みを浮かべる自分(一護)に一護はドン引きながらも、虚が出てきたことでその場を(一護)に任せる。

一「っし。行くぞルキア、じゃあちゃんと授業に出んだぞ!」

(一)「はいっ。行ってらっしゃいませ。」

笑顔で(一護)は二人を送り出す。
二人の姿が見えなくなっていた後(一護)は歪んだ笑顔を浮かべる。

(一)「どうぞごゆっくり。」
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