小説

□笑って
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俺たち新撰組に、ある日一人の男が入ってきやがった

名は斉藤一・・・コイツは左利きだ
俺は事情があるのだと察し聞きはしなかったが

斉藤「・・・・・」

土方「で、てめぇはどうして新撰組に入ろうと思ったんだ?」

何だこいつ・・・全然喋らねぇし、表情ひとつも変えやしねぇ、笑わねぇのか?コイツは

斉藤「俺は武士になりたい、武士になって俺の力を必要として欲しいのです・・・」

土方「でも、新撰組じゃなくても他の道場も在っただろ?」

こいつにはこいつで辛い経験があったのだと俺は話を聞いてわかったんだ
コイツが笑わない理由も・・・

斉藤「俺は色々な道場に訪問や申し込みをしてきましたが、俺は左利きです・・・武士は皆右利きに直されていきます、ですが俺は・・・利き手を直して弱くなるのならば、利き手を直さなくてもよいのではと考えました・・・ですがそんな俺を武士の恥さらしなどと・・・・」

土方「・・・・・そうか」

俺は何故か苛立った、何が武士の恥さらしだ!
利き手がどうだろうが武士は武士なんだ
俺は斉藤に俺が思ったことをそのまま伝えた

土方「利き手がどうだろうが、武士がどうのこうの言われるすじあいはねぇ・・・お前は俺たちの仲間だ、んなこと気にすんなよ」

斉藤「っ・・・・はいっ」

・・・・なんだよ、笑えんじゃねぇかよ

やっと笑ったな斉藤・・・もっと笑えよ

【お前の笑顔が見たいから・・・笑え】

俺はこれからこいつの笑顔を守ってやると心に決めた

END
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