うた☆プリ
□メリークリスマス トキ音
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「むぅ〜…」
「す、すみません音也。急に仕事が入ってしまって…。
本当に申し訳ないと思ってます」
「…本当に?」
「本当ですよ」
「……あっそ。もう良いよ。早く仕事行けば?」
「(すねてる…)わかりました。出来るだけ早く帰ってきますから」
「………」
トキヤの溜息を吐く声が聞こえて、その後ガチャッとドアが開き、トキヤは出て行った。
…俺があんなにすねたから怒っちゃったかな…。
い、いやいや、でもさっ、これはトキヤが悪いよね!
俺は悪くないもん!!
でもちょっとトキヤが気になった俺は、ドアを開けて廊下を覗いた。
…もう、いないか。
部屋に戻ってベッドに飛び込み、盛大に溜息を吐いた。
「あーあ。これからどうしようかな」
今日は12月24日。クリスマスイブ。
俺とトキヤは前々から、今日クリスマスパーティをして、
クリスマスになるまでずっと一緒にいる予定だった。
なのに、なのにあの馬鹿トキヤは仕事が入ってしまったとか言ってドタキャン。
「あーもう!トキヤの馬鹿あああああって、うわああぁぁあっ!!」
枕に顔を埋めて足をじたばたさせてたら、暴れすぎたのか、ベッドから落ちてしまった。
「いったー…!!」
涙が出てきた。
ベッドから落ちた痛さと、トキヤのいない寂しさから出てきたのだろう。
…トキヤ、仕事頑張ってるかな…?
トキヤだって、別にわざと仕事を入れたわけじゃないのに、俺、あんなに怒ってすねて…。
笑顔で「仕事頑張って」って言えば良かった。
今更押し寄せてくる後悔を振り払うかのように布団を被って目をつぶった。