第六話【対象】
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いやおかしいだろ。
明らかに悪いのは神原なのに何故俺が黙らなきゃならんのだ?
「選べ。選ばなかったら全部」
「ちょちょちょちょ待って! 選ぶから」
いやでも……一番マシなのが乳首ローターしかないじゃないかコノヤロウ!
だが、今されたら確実に死ぬ。
ガッチリ腕を掴まれ、下半身に股がられているので逃げ出すことも不可能。
ああ、全部は嫌だ。
でも選べない。
うだうだ悩んでいると、神原が待ちきれなくなったらしく、イライラを露にし始めた。
「……あと三秒以内に決めろ。いーちにー」
「ちょまっ」
「さー」
「ちっ……乳首、に……」
泣きそうになりながら、俺は言った。
「乳首に何?」
「ぅ……乳首……」
こいつ!
俺が折角あの馬鹿馬鹿しい選択肢の中から選んでやったのに!
「乳首に……ろー……た……」
「えげつないの選んだな」
一番えげつなくないです。
「まぁ自分で決めたんだから、文句言うなよ」
神原は身動きのとれない俺の乳首に、地獄の玩具を近付けた。