第九話【暗闇】
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しかし八尋は、学校に来なかった。
神原も帰ってこなかった。
休み? だろうか?
どうしよう。家まで行って伝えるべきか。
「むー」
「潮? 不細工な顔してどうした?」
「なんなんだどいつもこいつも不細工って!」
啓太は、アハハと軽く笑って流す。
「それより、凄かったらしいな、告白」
「……!?!?!?!?!?」
「復縁おめでとー」
な、けけけけ啓太まで知ってんのかよ!
恥ずかしすぎる……。
「って、復縁なんかしてないと思う、けど」
「あれ?」
俺の言葉に爆笑したってだけで、俺のこと許してはいない気がする。
俺だったら、たとえ神原にごめん連発されても……。
「…………」
許す。
ってそうじゃなくて!
俺と神原は違うんだから!
*
「はぁ……」
結局神原はどこかへ行ったきり放課後まで帰ってこないし、八尋は休みだし。
大人しく帰ろうか……。
そう思っていた矢先、保健室から妙な呻き声のようなものが聞こえた。
「!?」
保健室?
神原?
――ガラッ!
「あっ、し、失礼します!」
思わず開けてしまった。
そして、開けたのは間違いではなかった。
「神原?」
そこには、隠岐先生と神原がいて、神原は頬を大きく怪我していた。