第六話【対象】

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「潮」

「……」

「うーしーおー」

「あああああうるさいっ!」



あれから神原はウザい程に、俺に纏わりついてくるようになってしまった。

いや、ただ話すくらいなら全然良いんだけど、登下校も休み時間も授業中までひたすら話しかけられっぱなしなので、いい加減離れたい。

しかも会話の内容はほとんど無く、さっきみたいに名前を呼ばれたり頬をつねられたり……。

「は? 口出しすんの?」

「いやそうじゃなくて、今は授業中なのであの……授業に集中したいなぁなんて」

「しなくて良いって」

しなくて良いわけないって。
ホラ先生とかもう注意聞かないから完全スルーだし、クラスメイトも見てみぬフリ。

啓太は普通に話すけど、他はそうじゃない。
神原と行動していると、話しかけられる確率が極端に低くなってしまった。

いやでも、俺が自分で神原のこと好きだって言っちゃったし、仕方の無いこと……なのか?
奴隷にされてた時より、扱いは格段に良くなったし。

神原が俺のことを好きなのかは知らないけど、奴隷から友達くらいにはなれたんじゃなかろうか。
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