第七話【学祭】
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ぼんやりと目を開けると、紺色に染まった天井が見えた。
「――あ、起きた」
「……」
「本条くん?」
「……うわっ! あ、お、隠岐先生」
と、いうことは……ここは保健室か。
紺色に染まった天井は、白い天井が夜のせいで紺色に見えただけなのかと気付く。
先程までのことが徐々に蘇り、顔が熱くなってくる。
俺の顔を見て、先生は何か悟ったらしい。
「今日の綴怖かった?」
「……怖かった、です」
「やっぱりね〜。だって顔も声もメチャクチャ怒ってたもん。付き合い長いから、あいつの考えてることなら大体わかるよ」
だったら止めて欲しかったんだけど……。
俺が先生にそう言うと、先生ははぐらかすように笑った。
「まぁまぁ、終わったことだし失うこともないんだし」
「色々失いましたよ……」
溜め息を吐き、俺はハッとあることに気が付いた。
もう日が暮れてるじゃないか。
「学園祭! 皆! メイド喫茶はどうなったんですか!?」
「学園祭なんてとっくに終わったよ。君のクラスは儲かってたから今頃打ち上げでもしてるんじゃない?」
「打ち上げ、ですか」
がくっと項垂れる。
打ち上げ行きたかった……!