第九話【暗闇】

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「あ、潮おかえりぃー」

放課後、俺が教室に戻ると、啓太が笑いながら話し掛けてきた。
手には鞄。もう帰るつもりらしい。

「啓太……俺が戻ってこなかったことに関して何か疑問は無かったのか?」

「えー、だって神原と一緒にいたんでしょうが」

「ぎゃっ!?」

「お熱いこと」

ほほほ、と啓太は気持ち悪く笑って委員長と帰ってしまった。
くそぅ……なんか恥ずかしい。啓太と委員長だって、やってることは変わらないだろうに!

「…………」

いや、変わらないことはないね。
尿道プレイどころか薬やら拘束やら、変なことなんて絶対しそうじゃないね。



神原は隠岐先生のところに用があるとかで、保健室へ行ってしまった。
今日は一人で帰るか。

「ほんじょーくん?」

「ふえ?」

呼ばれて振り返ると、見覚えのない生徒が教室の外に立っていて、手招きしていた。
俺を呼んでる、のか?
とりあえず廊下に向かう。

「あーいきなりゴメンね。俺、隣のクラスの八尋っていうんだけど」

「やひろくん? はぁ、何の用ですか」

「うん、ちょっとここじゃ話しにくいから来てくんないー?」

八尋という人は、雰囲気はどちらかというと神原に似ていた。
不良? ぽい? でも話し方は優しそうだし。
というかそんな人が俺に何の用なんだ。

言われるがままに付いていくと、空き教室に着いた。
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