第ニ話【契約】
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「か、神原、お前大丈夫かよ」
「ご主人様だろドアホ」
うう……やっぱりその呼び方だけは絶対に慣れない。
嫌だよこいつがご主人様とか。
「お前がいつまでも口開けないから俺も飲んじまったじゃねーか……まぁ野郎相手に勃つとは思わねぇから丁度良いか」
やべーよ、これキツい奴なのにとブツブツ呟きながら、神原は紙袋の中からまたもや液体を取り出す。
その液体は120mlペットボトルのようなものに入っており、透明だった。
神原はぶちゅっと嫌な音を立ててその粘液を手に垂らす。
「ケツ向けろ」
「……ん?」
「ズボンとパンツ脱げ。あ、自分じゃ脱げねーか」
「えっ、嫌だ」
ケツとか何するつもりなんだ!
絶対嫌だ初めてが神原でしかも俺が挿れられる方とか断固拒否です。
「いいから」
耳元で囁かれ、ぎゅっと耳をつねられる。
痛い? 痛いじゃなくて。
「っ……!」
「? どした?」
「な、なんか……へん」
耳が、ぞくぞくする。
汗がどっと噴き出す。
力が入らない。
なにこれ。
なんだこれ。
「効き目出てきたか。早いな」
神原の一言一言が、身体全体に重く響く。
耳が犯されるような……嫌だこの感覚。
「俺に回るのも時間の問題だから早くしろ」
「あぁっ、ぅあんっ!」
自分の声じゃないような」恥ずかしい声が出たかと思えば、神原が俺の腰を掴んで身体をぐるんと回した。
俺は腹這いになり、必然的に神原に後ろを見せる体勢になる。
「っ……」
神原も薬が効いてきたらしく、息を荒げていた。
神原はそこから何も言わず、俺のズボンとパンツを膝まで下ろしてしまった。
俺は抵抗する気力も無く、まさにされるがままだった。
「マジかよ、ガッチガチじゃんか」
神原が俺のチンコを見て余裕無く笑った時も、『流石に学校で挿れたりとか、そういうのはしないだろう』と思っていた。
「見、んな……」
ほとんど停止した思考で無意識に言葉を紡ぐ。
勿論神原は止める気配が無い。
上半身はシャツのボタンも全てとられてはだけ、下半身は丸出し。
――しかし。
「!? ひゃああ!」
神原の指がア●ルに触れた途端俺の身体がビクンと跳ねる。
止まっていた思考が、動き出した。