第四話【秘密】
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『明日校門前に朝10時』
彼からの誘いは、いつも突然である。
折角の土曜日で、明日の予定を少しずつ立ててはウキウキしていたのに、それが音を立てて崩れた瞬間だった。
何とか他の予定を入れようと思い、啓太に予定を聞いたのだが「やっと笹部と俺ん家デート出来る!」と叫んでいらっしゃった。
中学時代の友人を誘うも、他の友達と遊ぶだの彼女と遊ぶだので全滅。
どうやら俺は神原から逃げられない運命らしい。
*
「あ、悪ぃ悪ぃ」
――土曜、午前11時、校門前。
「遅い……一時間遅れ!」
「んだようるせぇな」
待ち合わせは10時で、先に来てたら悪いだろうなと思い30分も待ってたのに、ヤツが来たのは1時間30分後の11時。
なんか俺だけ張り切ってるみたいで腹が立った。
「てかお前の服ダッセ」
「な゙」
いやいや確かに神原は、思ったより黒基調のシンプルな服装だったよ! ジーンズも破れてないしね!
でも俺はあれだ、神原がてっきりギャル男全開なのかと思ったからこんな服であって。
「決して普段はこんなチャラチャラした服は着てな……」
「おっしゃ、行こうぜ」
腹立つ!