□深層喪失
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※アニメのクラヴィーア編設定

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薄い膜のような壁を一枚隔てて、俺は“オレ”を見ていた。
景色はぼやけ、頭も真っ白で何故か不思議な位に、何も考えられない。

ふわふわふわふわ

此処はすごく心地が良い

ずっといたい

けれど


俺はとても大事な事を忘れているような気がする


でも、思い出そうとしても白く濁った思考が邪魔して何も思い出せないから
俺は、俺の意志に反して動いているオレを通して、ただ外の景色を眺めていた。

「どうしたの?」

鼓膜を通して外から聞こえた声に、オレは瞬きを繰り返した。
目の前には憂い顔の彼。
その顔を、逸らさず黙って見つめていると、何か柔らかいモノが顔の辺りに触れた気がした。
壁を隔てている所為か、俺にはそれはひどく冷たく感じたけれど

「ギンタ達と戦って疲れたのかな」

細くて柔らかいモノが、頬の辺りを何度も撫でている感じがする。
冷たい感触とは裏腹に、やさしく動くそれ



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