Drive−2

□BDショック! 4thRomance 5
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リカは、自宅のトレーニングマシーンに向かい、一心不乱に筋トレに精を出していた。



――ここのところ特に調子が悪い。

自分の内側から悲鳴が聞こえる様な錯覚に陥る事が何度もあって、よく眠る事ができない。

チームDRの関係ファイルを見ていると、めまいと吐き気が酷くなる。

このままじゃ拓海との約束の春名を走るのは、かなりしんどくなりそうだ。

筋トレも最近じゃ、すぐに息があがってしまう。

私は一体、どうしてしまったんだろう。自分が自分じゃない様な、変な感じ。



――だいたい、俺とお前って いつ知り合って、どういう関係なんだ――



この間、涼介の弟に言われた言葉が頭をよぎる。それに、勇斗に見せられたあの写真は何だったんだろう?


「あーッ!苛々する!ランニングにうでも行こう!」


タオルを掴み流れる汗を拭いながらリカは、衣裳部屋へと入り手探りで電気を点ける。

「ぇーっと‥ジョギングシューズはっと‥あった!」

箱を引っ張り出した時、勢い余り後ろにあったタンスに背中をイヤというほどぶつけてしまい

その拍子にタンスの上にあった物が、リカの頭上経由で目の前にバサッと落ちて来た。



「もぉー!痛ったーい!アレ?何、この服‥夏用のパーカー‥?私のじゃないよね、大きいし。
直也‥な訳ないか?」


リカの頭の奥が、ズキンと痛む。


パーカー

夏用



こめかみを押さえながらうずくまった時、玄関のチャイムが鳴った。

「痛ぅ‥こんな時に‥直也?」


ノロノロとリカが玄関へ向かっていると、再度チャイムが鳴る。

「はいよ‥。」

ドアを開けると、驚いた事に啓介が立っていた。

「ぁ‥何でアナタが‥此処を?」

「香坂先生に頼まれて、薬持って行ってくれってさ。」


疑わしそうなリカの視線に啓介は、薬袋をズイと差し出した。

「ぁ‥そっか、今日‥取りに行く日だったんだ。」


リカは薬袋を受け取ると、そのまま立ち尽くしている相手の様子に、仕方なく『どうぞ』と言い
啓介を中へと促した。



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