Drive−2
□BDショック! 4thRomance 7
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「藤原は本気だぜ〜。」
ベットルームのドアから、頭を掻きながら啓介が大欠伸しながら出て来た。
「レースにゲリラ参戦する前から藤原は、兄貴に相談してたぜ。『東京にやった女が心配だ』ってな。
妊娠の事もスッゲー喜んでて、あの藤原がハシャイでんだぜ?見てるコッチが恥ずかしかったつの‥ファ〜。」
それだけ言うと啓介は、バスルームへと消えた。
「ぁの〜‥‥リカさん、啓介さん‥居たんですか?」
なつきがリカをチラと見ると
「‥‥みたいです‥ねぇー;」
リカは変な汗をかきながら、明後日の方を見た。
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月曜日の夕方、リカの赤色レヴィンが荻原コーポレーションの地下駐車場へと滑り込む。
リカ専用のスペースに駐めると、一緒に乗って来た若い男を連れ32階フロアへと向かう。
専務室入ってすぐの秘書室の面々が立とうとするのを笑顔で止める。重厚なドアを自分で開けたそこには
重役らしい男達と話す、いつもと変わらない勇斗の姿があった。
『1月10日は、勇斗氏が当時付き合っていた女性とドライブに出た折り、不慮の事故に遭い、女性が死亡
した日の様です。』
リカは、今朝山部から聞いた言葉を思い出していた。
「仕事中でしたか?では、外で待ちますね。」
「リカさん。いや、良いんだ、入って下さい。じゃ君、後は頼んだよ。」
そう言われた重役の男性は『ハッ』と言うと、リカへ軽く会釈しながら出て行くのを見送ると、チラと
勇斗へ視線をやる。
「あの‥良かったんですか?」
少し眉根を寄せたリカが、心配そうに尋ねた。
「あぁ、気にしないで。本当に大した話をしていた訳じゃありませんから。さて、プレゼントは何かな?」
小さく微笑むと勇斗は、リカ達にソファーを勧めると自分も腰を下ろす。