Drive−2

□BDショック!4thRomance 3
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渉に促されて振り向いたリカの眼前には、腕組みして仁王立ちの啓介がいた。

3人の大人達が作り出した、微妙な空気の中で 瑞穂は1人、心の中でピースしながら満面の笑みを浮かべていた。



「ぁ‥――」


言葉に詰まったリカの脇へ、スルリと瑞穂が入って来ると リカと渉の手を取り、自分は真ん中を陣取る。


「さぁ〜リカちゃん、帰ろう。渉君と一緒にさ。何かココ、超胸クソ悪いオトコ居るみたいだしぃー!」



まるで親子の如く手を繋いだ瑞穂は、2人を引っ張る様にズンズンと歩き始めると、啓介の脇を通り抜け
レジへと向かう。


「オィオィ、瑞穂!」

「ちょ‥瑞穂ぉー;」

リカと渉が同時に声を上げると、続いて啓介が瑞穂の襟首を掴んだ。



「コラ、ガキ!何仕切ってんだよ!」



「フンッ!ちょっと雑誌なんかに載り始めたからって、チョーシこいて女なんか連れてる奴にガキ呼ばわり
されたくないねッ!」


「ンだとぉ?!コラ!」


何ともお粗末なやり取りに、リカと渉は止めるのも忘れハラハラしながら見守っている。


「どんなに凄んだって、アンタの方がブが悪い。ホラ、向こうで連れの女が呼んでるぜ?大体リカちゃんに
オマエなんか、勿体無いんだ。それにリカちゃんは、人妻予約済みなんだよ!気安く触んなッ!」


思わず怯んだ啓介だったが、売り言葉に買い言葉で負けじと言い返す。


「ガキで女だからって、言いたい事言ってくれんじゃんよ!」


「ぶぁーか!誰が女だ!俺はオトコだっつの!歳は11歳でも、知能はハタチなんだよ。2度とそのツラ、
リカちゃんの前に見せんなッ!」


今にも泣きそうな顔で言うと、瑞穂はリカの手を強引に引いて店を出た。

「瑞穂の気に障る事したオマエが悪い。ご愁傷様だな。」


そう言うと渉もまた、クルリと踵を返し店を出る。


後に残された啓介は、訳が分らないまま立ち尽くすしかなかった。


「どういう意味だよ‥。」


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「瑞穂!ねぇ、瑞穂ってば!あんな風に言うの、良くないよ!」

「何でだよ!」

普段滅多な事では怒らない瑞穂の激しい怒りに、リカは戸惑いを隠せなかった。


「リカちゃんはアイツが好きで、アイツだってリカちゃんの事‥好きなのに!なのに、どーしてさ!

どーしてあんな事すんだよ?!パパならそんな事、絶対にしない!ママを不安にさせる事なんかしないのにィ!」



そう言うと、今まで我慢していたのか 瑞穂はリカにしがみついてワンワン泣いた。



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