Drive−2
□BDショック!4thRomance 3
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「もう‥真っ平だッ!」
そう叫んだ啓介は、フラつく足で会場を後にし その後を恭子が追った。
何の為に俺達がこんなに必死でやってるのか 啓介、お前にはソレが 理解出来ないって言うのか?!
震え出しそうになる拳をギュッと握り締め、涼介は目頭を押さえた。
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「‥‥つまらん。気に食わんな。」
唇を離した勇斗が吐き捨てる様に言うと、スーツのポケットから出した写真をリカの方へ投げてよこした。
放心した様にノロノロと起き上がったリカが、ソレを手に取ると一瞬で顔色が変わった。
ソコに写っていたのは、赤城で啓介と見た花火の日 2人で抱き合いキスしている姿が、
盗み撮りされたものだったのだ。
「これ‥は‥‥。」
「せめて、このくらい情熱的な口づけをして欲しいものだな。」
してやったりとばかりに口元歪ませ笑う勇斗の上着ポケットから、携帯の音が鳴り出した。
「あぁ、どうした?…何ィ?そうか‥‥いや、放っとけ。そこまでしてやる筋はない。そうだ、いいんだ。」
淡々と言って携帯を切った勇斗は、リカの方に向き直りジッと見つめた。
「鼻の効く連中は、足元をすくおうと日々どこからでも狙っている。コレは、私の大切な人だから
ネガごと握り潰したが、その他の事までは知らんからな。」
最後の方の言葉の意味が今一つ呑み込めずにいたリカだったが、写真を前にされ ただ、俯くしかなかった。
「まぁ、いい。こんな脆い関係、放っておいても自ずと崩れるもの。夢はいつか醒める様にね。さて、と
リカさん 本題は、こんな話ではありません。2人で初めて迎えるクリスマスに、君に何かプレゼントを
贈りたいと思っているんだが、何か欲しい物はあるかな?」
勇斗が、少しだけ優しい顔になってリカの顔を覗き込む。
「‥‥1つだけ、あります。」
「ホゥ‥で、それは何か教えてもらえるかな?」
「冴凪剣治、彼を瀬名巳に頂きたいです。」
顔を上げたリカは、勇斗の顔を真っ直ぐに見つめると 穏やかな、それでいて譲らない声で言い放った。