Drive−2
□BDショック!4thRomance 4
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「もうリカは、こっちには戻って来ない。啓介君、私は君を買いかぶってた様だ。こうなったら、何が何でも
成績だけは残してもらうぞ。それがダメなら、今リカが言った通り‥君はクビだ。」
直也はそう言うと、秘書へ荻原へ行くと告げ出て行ってしまった。
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廊下では、涼介が携帯片手に渋面を浮かべて話し込んでいた。
【本当に‥スミマセンでした。】
携帯の向こう側では、泣いている恭子の声があった。
「いや、俺が頼んだ事だから。だが、やり過ぎたな。」
言いながら涼介の表情は、どんどん厳しくなってゆく。
【リカとは…?話せますか?】
「もう無理だろう。悪いが岩瀬君、メンバーを外れてもらえないか?ファンも何をするか分からないし、
そっちの方が、君自身の為だと思うよ。」
【はい。延彦からもそう言われたし‥本当に、御迷惑かけて‥スミマセンでした。】
2時間後、直也が社へ戻った時3人はまだ専務室に残ったままだった。
「何だ、まだ居たのか?私は忙しいんだ。お引取り願いたい。」
直也は上着を脱ぎ捨てながら、吐き捨てる様に言い放つ。
「どうしても聞きたい事があって、お待ちしてました。」
涼介が代表する様に、静かに口を開いた。
「何をだ。」
「さっき直也さんは、リカはこっちへは戻って来ない――と、おっしゃってましたが『こっち』というのは、
『戻って来ない』というのは、どういう意味なんですか?」
「‥‥俺はコレ以上君達と話していると、手が出そうだ。それについては、綾子に聞いて来い。」
直也は背中越しにそれだけ言うと、インターフォンで秘書を呼び、3人を出す様に命じたのだった。