Drive−2

□BDショック! 4thRomance 8
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嘘でしょ?!啓介が事故ったなんて!

リカのレヴィンが、信じられないスピードで公道を駆け抜けていた。

高橋医院前のコーナーをドリフトで滑り込むと同時に車から降りると、急患受付入り口のドアへ駆け込んだ。


「あの‥すみません!さっき間瀬のレース場から運ばれた人はッ?!」

「その方でしたら、3階の手術室で先ほど手術が始まったところです。」

「手術?!」


リカの心臓が早鐘を打つ。

エレベーターを待つのがもどかしく、一気に階段を駆け上がったリカは、3階フロアーに辿り着いた瞬間

勢い余って、正面に居た人とぶつかってしまった。


「スイマセン!」

「っ痛ぅ‥あれ?リカ?何でココに居んだよ?」


聞いた事ある声にリカが青い顔を上げると、そこには車椅子に点滴姿の啓介が居た。

「ぇ‥けいす‥け‥?ケガって‥手術って‥?!」


リカはその場にへたり込むと、一気に緊張が緩み泣き出してしまった。


「ぇ‥ぇ?ちょ‥リカぁ?何パニクってんだよ?何を勘違いしてんのか知んねぇ〜けど、今手術してんのは
HEVENの波佐間だぜ?」


「ハザマ‥‥?」




「落ち着いたか?」

3階奥にあるVIP個室の1室に案内されたリカは、コーヒーを手に座っていた。

「だって…山部が…――」



「山部さんも、人が悪いな。確かにクラッシュかけられて、壁に擦っちまってさ。そのせいで1位が

3位になってよ。そんでムカっ腹立ったから、俺も攻めてやったんだよ。そしたら奴、コーナーで滑って

自分のピットに突っ込んだんだ。チームの連中は軽症で、手術してる本人も、命に別状はないんだぜ。

俺は打撲とかチョコっとの怪我なのに、検査って言われてこんな大袈裟な格好をさせられてる訳よ。」


言うと啓介は、ベットの端に座った格好で小さく肩すくめながら苦笑いを浮かべている。



「よかった‥。」


まだ青い顔のままのりかが、安堵からの深い溜め息をついたかと思うと、彼女の手からコーヒーの入っていた
紙コップが、コトリと床に落ちた。


「オィ、ちょ‥リカ?!」


前のめりに倒れて来たリカの身体を、慌てて啓介が抱き止める。顔色が白っぽくなっている。


「ごめ‥ん。ちょっと‥めまい‥が。血糖値‥下がった‥カモ‥。」



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