Final-Drive
□BDショック! Final Romance 5
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10代、20代、30代〜と、それぞれの再会がショーと共に進んでゆく。
ちょっと笑ったり、時にジーンとしたり、観客はステージに引き込まれている様に見えた。
だが、リカは心配だった。
ちゃんと服は印象に残ってくれているのだろうか?と、いう事が。
ショーも終盤に差し掛かった頃、またもやリカは数人のスタッフに羽交い絞めされ、着せ替え人形の如く、着飾られた。
「なッ、何よ!コレ?!」
「やっぱ最後はハッピーエンドって事で、ボスに締めくくってもらおうと思いまして。さ、ステージに!」
リカの身体を包んでいたのは、純白のウエディングドレス、だった。
しかも1つ1つが、丁寧な手作業で行われたであろう刺繍やレースが、ふんだんに盛り込まれ、清楚な雰囲気に
仕上がっていた。 10センチヒールを履かされ、舞台袖まで押し出された時、大きな手のひらがリカを支える。
見ると、これまたファッショナブルなレーシングスーツを身に纏ったレオが、照れながら立っていた。
「何なのよ、コレ?!」
リカがプリプリしながら声を上げると、スタッフ一同がやんやと騒いで、早く行けというジェスチャーをする。
「仕方ない。行くしかない様だね。」
レオはそう言うと、リカをヒョイと『お姫様抱っこ』して舞台へ。
すると観客席だけでなく、舞台裏からもワーッという歓声があがった。
全衣装を着たモデル達が横1列に並んだ真ん中に、リカとレオが降り立ち、深々と御辞儀をすると
会場は、割れんばかりの拍手喝采に包まれた。
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ショーが終わった後も、リカは、たくさんの人に囲まれ握手を求められたりで、スタッフが何とかソレを納め
解放されたのは、終了後2時間を経過した21時過ぎだった。撤収は既に済んでおり、スタッフはどうやら
打ち上げに繰り出している様だった。
どこを探しても自分が最初に着ていた服が見当たらず、仕方なく最初に着せられたワンピースを着たリカは
会場の最終チェックを済ませてから、外へ出る。
9月の気持ちよい夜風に包まれリカは、ようやくホッと胸を撫で下ろした。
「マドモアゼル、ホテルまで送りますよ。」