Drive−1

□BABY,D-ショック!
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『い・・今、何て言った?』


好きな男の顔が歪む。 この人はこんな時でもカッコいいんだ・・くやしいぐらいに。


『あのね、お姉、結婚・・決まったんだ。 だから涼介さん―――』

『いつ?! いつなんだ?』


あなたがこんなに乱れるなんて初めて見た。 
いつもこんな感情の全てを閉じ込めてるけど、きっと内側の葛藤は激しいはず。 人前でパニックに陥るぐらいなら
死んだ方がマシだと思っているハズなのに・・。


こんなにパニくって・・ くやしいよ、こんなにパニくらせたのが お姉なんてさ・・・


『事が事だけに、結婚式は今度の日曜日に 身内だけでやる事になったんだ。』

『やっぱり相手は・・・』

『木村のオッサンだけど。』

『・・・ッ!!』


涼介は私を引き寄せると、狂った様に服を引き裂く。

私は一瞬、何が起こっているのか理解できずに、ただ流されるまま押し倒されていった。
聞こえてくるのは涼介の苦しそうな息遣いと、繰り返し呟く『志乃』の名前。


そして私の体に走る 鋭い痛み。


夢みたいだけど、あの涼介が私の中にいる。こんな形でも私は涼介が好きだ。
きっと この時、私は悪魔に心を売り飛ばしてしまったのかもしれない。

この人を得る為なら志乃姉の身代わりでもいい。こんな卑怯な考えで堕ちたせいなのか、何度涼介に抱かれても
私の体は、あの日以来 快感を知らない。


おかげで私はFAKEだけ上達してゆく。
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