Drive−1
□BABY,D-ショック! 10
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明け方までに何度か熱で起きたものの、何とかリカの状態も落ち着き 今は、啓介の隣で寝息をたてていた。
それを子守唄に、啓介も少し眠ると 朝10時には、香坂病院へリカを連れて行った。
連絡を受けていた綾子が、青ざめた顔で出迎えると ソコにはムスッとした啓介の顔があった。
「昨夜は 痛み止め1本、抗生剤2錠を2回、解熱剤3時間おきに合計6錠飲んでるからな。」
それだけ言うと、啓介はクルリと背中を向けた。
「あ、オイ!」
「どーせ男はダメなんだろ。」
振り返りもせず行ってしまう啓介を見送りながら、綾子は少し顔を歪ませた。
「ちょっとイジメすぎたか・・・。」
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啓介は家に戻ると、迷わず涼介の部屋へと真っ直ぐ向かい ノックもせずにドアを開けた。
「兄貴!俺、もうカンベンならねーよ!あいつ等、バトルで潰してやりてぇ‥ッ!!」
啓介が息巻いて入って来たのに苦笑しながらも、涼介はパソコンの画面を見せる様にクルリと椅子ごと振り返る。
「いや・・お前がやらなくても、別の人間が潰してくれそうだぞ、啓介。」
「ぁ?ソレって、どういうコトだよ?!」
啓介は 兄の肩越しに、画面を覗いた。
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その頃
香坂病院の一室に 直也とリカ、恵、そして山部がいた。 まず、直也が口を開く。
「奴等は コッチが手を回したから、今日から一旦『ブタ箱』を釈放、外に出れる様になってる。
その後、もちろん再逮捕になるんだがな。で、明日というか 日付で言うと明後日なんだが、
午前零時に天下り峠で・・と、仕掛けておいた。リカ、行くか?」
「絶対ヤる。私のせいで、全然関係ない走り屋の人達が暴行にあったんだよ!その被害に遭ったチームの人と、
そのリーダーを、ギャラリーとして呼び集めてくれない?」
2人の会話をまとめたものが、山部の手によってパソコンに入力されていく。
そのHPのタイトルは『黒い彗星ブラックパンサー最期のレクイエム』となっていた。