Final-Drive

□ BDショック! Final Romance
1ページ/10ページ





堕落した王子



『じゃ、行ってきます。』


――7月15日

そう言って、パパや啓介クン、涼介さん メグちゃん、冴凪おじちゃん ケンタ君、延彦さんは

にこやかにドイツへと旅立って行った。



直也おじちゃんの結婚式から1週間。

その間啓介クンは、リカちゃんを片時も離さず、いたしてばっかいたらしい。

それなのに啓介クンは、空港は人気のないトイレへリカちゃんを連れ込んで、また困らせてる。



「ぁ‥ッ‥啓介‥ッ!」

「このままずっと‥リカの中に居てぇよ‥俺‥ック!」

「ちょ‥もぅ‥時間っ‥ぁあッ!」

「ンな声聞かされたら、モ1回ヤリたくなんだろーが!」

「ぇえ?!」



おかげで啓介クンは、フライトぎりぎりに乗り込み完了。 パパ達を最後までヒヤヒヤさせたんだ。

リカちゃんはと言うと、見送るどころか 怪しい足取りで山部さんにしがみついて、こう漏らしたんだって。

『やっと‥行ってくれた‥‥。』

『イッてくれた、の、間違いじゃ?』

『やぁ〜まぁ〜べぇ〜!!』

『失礼しました。』




ぇ? どーしてボクは、行かなかったのかって?

パパとしてはボクと離れたくなかったみたいだけど、ママは慣れない育児を、

これまた慣れない外国でやるなんて、絶対ヤだ!って言って、喜んで日本に残る事になったってワケ。

ママいわく『ちょっとの間なんだし。』だって。啓介クンとは、大違いだよね?



だけど、ママが残ったのには、もう1つ理由があって

それは、なんと!

文太おじいちゃんに、子供が出来たんだ。美鈴おばあちゃん、めでたくゴカイニン。

孫のボクより、1つ年下の子供が出来ちゃうんで、しきりに照れてるけど、美鈴おばあちゃんは43歳の

高齢出産になるし、つわりなんかも心配だからって、ママがついてる事になったんだ。



冴凪おじちゃんの家族も、メグちゃんの彼女の綾子センセも、ケンタ君の彼トオル君も、みぃ〜んな

日本にお残り。



期待を背負い  希望を胸に

意気揚々と飛び立ったチームDRだけど



このフライトの行き先は、破滅へと向かっていたんだ。




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ