Drive−2
□BDショック!2ndRomance 2
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啓介が波と戯れるのを、リカはジッと見つめた。
すっかり『海の女神』に気に入られた啓介は、荒波も高波もスイスイと乗りこなす。
「うわぁ・・スゴイ、全然カッコイイじゃない ね、りょうす・・――」
リカが感嘆の声を上げて、隣を見ると そこに涼介の姿はなかった。
「アレ?ひょうふけは?」
口いっぱいに食べ物を頬張りながら呟くと、クスッと笑った緒美が海を指差した。
「啓兄の『あおり』に我慢ならなくて、行っちゃったよ。」
見ると、啓介と涼介が まるで『ツインバトル』でもしているかの様に波を渡っている。
「何だかんだ言って、結局 仲いいんだから。」
フッとリカが笑ったのを見た緒美は、黙って頭を下げた。
「え?何なの、急に?」
リカは、相変わらず口をモグモグさせたまま、キョトンとしている。
「啓兄は、本気でリカさんの事好きなの 良く分かったし、リカさんは 涼兄の事を、本気で好きだったって事
私だってずっと見ていて・・平気で乗り換えたりする人じゃないって、知っているのに・・酷い事言って・・。」
テーブルに1つ、2つと落ちる 小さな涙の水溜りに気付いたリカは、淋しそうに微笑んだ。
「気にしてないよ、私は婚約者がいるし。」
「嘘つき・・全然嬉しくないクセに。どうしてそのリング、外さないの?本気で結婚するつもりですか?」
「世の中、皆が皆 自由に生きられるとは限らないのよ。籠の中の鳥は、籠の中しか知らないから、
自由に飛び回る鳥を 羨ましいとは思わない・・それも幸せの形の一つだよ。」
「そんなッ!」
「そういうワケだし、緒美ちゃんは何の障害もないんだから、啓介を好きでいればいいじゃない。」
「ううん。私、判ったんです。リカさんを本気で好きになって、もがいている そんな啓兄が、好きなんだって。」
「え――・・ッ?!」