Drive−2
□BDショック! 3rd-R 1
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週末の県外バトル、行かなくて良いと言われたリカだったが 曖昧な返事をするにとどまった。
行く時間を捻出するのが大変なのは事実だが、啓介と一緒の時間も持ちたい‥――という考えが、
頭をよぎったのが理由だった。
その日の夜中1時頃、クタクタに疲れきった啓介が帰宅した。
シャワーを浴び 寝るのが精一杯だった彼は、リカが来ている気配に気付く間もなく、眠りについた。
一方で、熱の入ったやり取りをしていた涼介とリカもまた、啓介の気配に気付く事無く仕事をこなしてゆく。
「リカ、この図面は計算コレでイイのか?‥‥リカ?」
呼んでも返事のない事に パソコンから目を外し、振り返った涼介が見ると リカは、ベットで資料を
抱き締めた格好で眠っていた。
「随分と参っている様だな。今度は、何を抱え込んでいるのやら‥‥。」
涼介はパソコンを終了させると、リカが抱えている資料を静かに抜き取り、机上に乗せる。
そうしてから ゆっくり眠っているリカの隣に座ると、彼女の額にかかった長い髪を小指でかき上げた。
しばらくジッとリカの寝顔を見つめていた涼介だったが、その長い指でリカのアゴを掴むと そっと口づけた。
「ン‥けい‥‥すけ‥。」
自分と違う男の名を呟くリカに、涼介は更にその唇を貪るのであった。
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翌朝、寝惚けてセットされていた啓介の目覚ましが けたたましい音と共に、6時半に鳴り響く。
「ぁんだよー…!何でこんな時間に鳴るんだよ、クソッ!」
乱暴に目覚ましを止め、2度寝してやろうと布団にくるまった啓介だったが、結局目が冴えてしまい
仕方なく7時に起きると、煙草を取り出し咥えた。
「アレ?ライターがねぇーじゃん?FDン中にでも忘れたか?」