※お題小説置き場※

□・なみだひとしずく・
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「あ、上谷さんちょうど良かった…。あの…。」

「坊ちゃん、どうされましたか?」

「…………あの……父の事なんですが…。」






ごろりと畳に寝そべると、桃色の髪がふわりと広がる。

「…遅いな、新太郎…。」

部屋を後にして半時位経っている。

ただ、もう一部屋用意してもらうだけのはずなのに。


―――…何か、あったのだろうか。


そんな考えが頭をよぎったと同時に。

音もなく襖が開いて。

身体を起こすと、そこには新太郎が立っていた。
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