歌のプリンス
□ごめんなさい
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夜 寮にて
「、、、、。」
「、、、、。」
部屋には二人も人が居るのに物音一つしない、あまりの静けさに音を出すのが怖くなる。
「、、、レン?」
小さい声でレンを呼ぶマサト。今日はマサトが先に部屋に戻っており、いつも通りに出迎えたのだが返事どころが目も合わせてくれなかった。
「、、、すま「何がすまないか、分かっているのかい?」」
レンが声を張り上げる。
ビクッと体を大きく揺らすマサト。
分からない。分かる訳ない、だってレンは何も自分に言ってくれないから。
マサトは唇をかむ。次の言葉が見つからない。
「分からないのなら、謝らないでくれるかい?」
レンの冷たい言葉が耳に入り心に突き刺さる。
マサトの目から滝のように涙が流れる。しかし、レンに背を向けている為、マサトの表情が分からない。
そのまま二人は寂しい無言の夜を迎えた。