☆short story☆

□オレ専用。
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「狩屋ー!ボール行ったよ!!」



天馬くんの声がグランドに響く。

でもオレの視線の先はボールとは
別の場所…





今ベンチの近くにいる
名前センパイ。


今2年生で、サッカー部の
マネージャーをやっている。

入部した時からずっと好きで
ほんの1週間前
オレがセンパイに告って
やっと“カレカノ”になったんだけど…





「苗字、
今日の練習メニューなんだけどさ…」



『どうしたの、霧野くん??』





なんだよ、
キャプテンがピアノの練習で
休みだからって仕切ってんじゃねぇよ。

しかもあんなに嬉しそうに話してさ。



こんな事を
考えながらパス練してたら
天馬くんの蹴ったボールが
オレの足をすり抜けていった。




「狩屋ー、大丈夫ー??」


「あぁ、ごめん!拾ってくるよ。」




天馬くんに謝って
ボールを追いかけた。



そして運が良いのか、悪いのか
ボールは名前センパイのところに…





『はい!!
がんばってね、マサキくん。』



名前センパイはボールを拾い上げ
オレに渡してくれた。


嬉しかったんだけど
隣にいた霧野センパイが


「狩屋、集中しないとだめだろう。」


とオレに注意する。
正直腹がたったけど名前センパイがいたのでグッと堪えて


「はい、すみません。」


と適当に謝っておいた。




それから
天馬くんと練習を再開したんだけど
妙にベンチが気になって集中できない。




ふと、ベンチを見ると
いい事を思いついた。








「お待たせ、天馬くん。行くよ!!」



オレはボールをさっきより強く蹴った。
すると天馬くんは
いきなりの早いボールに対応できず
蹴ったボールが空高く上がる。

そして高く上がったボールに合わせる



…フリをして
オレはバタンとグラウンドに倒れた。







すると、思ったととおり名前センパイやみんなが集まってきた。



『マサキくん、大丈夫!!?』




名前センパイは俺の手を引き
起こしてくれる。



「大丈夫ですよ、これくらい。」



『よかった…
もう、心配しちゃっ





ちゅっ






『…っ??////ま、マサキく…』






「名前センパイは、
オレ専用のマネージャーなんですから
あんまり手、出さないでくださいね??」










end

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